日本酒の保存におけるポイントは、ワインの酸化を抑制させることとは異なり、酸化よりメイラード反応である。
メイラード反応とは、20世紀のフランスで、ルイ・カミーユ・メヤール(英語読みでメイラード)が行った研究である
アミノカルボニル反応の一種であり、還元糖とアミノ化合物のメイラノイジンなどの褐色物質を生む反応で温度が高い(155度をピークに)ほど反応が早く起こる。
このことから、トパーズ色や琥珀色のような色調に変化した熟成古酒のような熟成を望む場合は、ワインセラーのような14度くらいで保存。メラノイジンによる変化を迎えたい場合には、氷温に近い低温で保存する
搾りたての日本酒に感じる甘味と酸味、苦みのバランス上のばらつきは、熟成により調和してより滑らかに溶け込む
したがって、開封後の酒の保存による変化のリスクはワインに比べはるかに少ないため、グラス売りが容易である。
火入れをしていない生酒の保存は、火落ちのリスクを抑えるために氷温貯蔵が理想的である
火落ちとは、アルコールに強い火落ち菌と呼ばれるある種の乳酸菌による変質で、不快な香りを伴う現象のことである