日本酒には酒造好適米とよばれる酒造りにおいて良いとされるお米がある
作りたい酒質に合わせてそれぞれ酒造好適米の特性を使い分けがされていある
今回は雄町というお米について説明したいと思う
9月上旬に出穂、10月下旬に成熟する晩生の呼ばれる遅咲きおのお米である現在栽培されている酒造好適米の中で最も歴史のある品種で、山田錦や五百万石をはじめ、その誕生後に開発育成された品種には雄町を祖先とするものが多い
1859年岡山高島村大字雄町に暮らす篤農家岸本しんぞうは伯耆大山に参拝した帰路座地道に覆いかぶさるように頭を垂れるひときわ重そうな穂を見つけ、ふた穂を譲り受けて持ち帰った。それから選抜を重ね1866年に選出もらった2本の穂にちなんで二本草と命名したが育成地である岸本の地元雄町という地名で呼ばれるようになる
大粒で心白も大きい雄町は各地の酒造家から酒造米として高い評価を獲得1917年には岡山県下で約9000㏊の作付けがあったまた大正末期から赤磐郡軽部村の村長が雄町の宣伝に努めたことから雄町の名が全国の酒造家に知られるようになり、昭和初期の清酒品評会では上位を占めたというしかし戦中から雄町の生産は激減。戦後1970年代になっても草丈が150、160cm以上と高く栽培の難しい雄町の作付けは増えず、約3㏊に落ち込んだといわれる。このころから、岡山の蔵元らが熱心に働きかけ、軽部などから復興栽培が推進された。現在では岡山県内で作付面積約500㏊まで回復している
その酒質について、岡山県酒造組合のHPには適度な旨味のある酒になるさけしつにまろみがあり、秋上がりすると紹介されている
雄町をつかった日本酒を好む人を雄町ストと呼んだりする
酒米ハンドバッグには味に幅のある個性的な酒質とされる
個人的には作り手の意図によりますが軽やかな甘みがあると思う