きもと 全体生産量の1% 江戸初期に基本的な製法が確立されたと伝わるきもと 山卸をする(櫂で半切り桶の中身をすりつぶす作業)
山廃もと 全体生産量9% 明治期にきもと系酒母を変化させた正式名称山卸廃止もと 櫂(と呼ばれる棒)で半切り桶の中身をつぶす作業(山卸)をしないということ。1909年山卸をしないかわりに水麹を育成する山卸の作業を行った酒母と行われない酒母では成分的に違いはないことから実用化された
これらはきもと系酒母と呼ばれ、いずれも乳酸菌を増殖させ、その乳酸菌の生成する乳酸によって雑菌の汚染を防ぐ酵母培養法である
きもと・山廃はふくよかで旨味の深い味わいが多くヨーグルトやサワークリーム、バタークリームのような香りがするタイプが多い
一方全体生産量90%の速醸系酒母では醸造用乳酸を添加する
仕込み当初に必要な量の乳酸を加え、酒母を雑菌が育成しにくい乳酸酸性として雑菌の繁殖を防ぎながら、麹の酵素によって蒸米でんぷんを溶解、糖化させて糖分の蓄積をはかり、添加した優良酵母だけを純粋に培養する安全な酒母製造法である
まとめ
きもと系酒母は蔵についている乳酸菌を培養し雑菌を防ぐ方法に対し速醸系酒母は人工的に乳酸を加え雑菌を防ぐ工法の違いがある
きもと系酒母のきもとは山卸(まぜる作業)をする、山廃は山卸をしないという違いがある
きもと系は自然由来の乳酸菌をしようするので製造日数がながく技術も必要なのに対し
速醸系酒母では製造日数も短く安定性もあるがきもと系と同じような味わいは作りにくい
現在再びきもと系酒母に注目が浴びており、生産量も増えつつある
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